唐組垂飾帯断片 付金具五種七片

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出品オークション
品番
#001
サイズ
6×18.5

物語

法隆寺では、推古天皇の御几帳の垂飾と伝えられ、江戸後期には、聖徳太子の関連遺品として江戸での出開帳に供された歴史を持つ。茜・萌黄・濃茶・金糸を用いて入子菱形文様に唐組し、垂飾としたもので、飛鳥時代の、日本で最古の唐組遺品と知られる。本来、帯部の左右には蓮実形の鍍金鈴を座金で綴じつけ、帯部の下辺には透彫金具を付して房を垂らして荘厳したが、完形に近い遺品は、献納宝物と正倉院とに残って、法隆寺には金具と房の連結部のみを残して帯部は伝わらない。

掲出と正倉院に伝存する兄弟関係の唐組垂飾は、明治十一年(1878)、法隆寺宝物が明治天皇に献納されたとき、東京に搬出される前段として正倉院に仮置されたが、東京に移送される折に、染織品を納めた両宝庫の櫃の取り違え事故が発生し、法隆寺宝物の一部が正倉院に残置されることになった。この事故によって、献納宝物には、飛鳥時代の遺物(法隆寺献納宝物)に天平時代の遺物(正倉院宝物)が混在することになり、正倉院宝物では、これの真逆の状態が勃発することになった。染織品を納めた櫃の取違いは、一部の専門家を除いて永く公然の秘密として秘匿されつづけた。公然と情報が開示されたのは平成時代ではなかったか。掲出には飾金具5種7片が含まれるが、いずれも法隆寺宝物の飛鳥時代の金工品である。が、垂帯に付帯した金工品とは、一部に近似を見るものゝ情報は正確を欠き、為に、その本来の帰属を詳しくすることができていない。

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