鉄錆地六十二間筋兜付雲龍打出二枚胴具足 With Tetsu sabiji 62 ken suji kabuto “Gusoku” Type Armor with Embossed Unryu, Two-Piece Cuirass

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C-001
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付溜塗唐櫃(新作) 具足立 Six-Legged Chinese-Style Chest with Tamenuri Lacquering (New Production) Armor stand

物語

鉄錆地六十二間筋兜付雲龍打出二枚胴具足

兜           錆地の鉄矧板六十二枚を重ね、筋を立てる。姿形は前頭穏やかに、後頭は稍大きく膨らむ。浮張に銘見孔は無く銘は未確認。八幡座は金銅魚子地葵座に唐草毛彫八角座、裏菊、小刻、同毛彫の宝瓶、小刻、抱花に玉縁を重ねるが、本来の一具ではない可能性もある。四天鋲、響孔をやや高い位置に設け、奈良菊鋲頭の笠印付鐶を打つ。巾広の眉庇は錆地として素文(裏朱)、蜻蛉尻に先端をW字刻、二孔縦列の祓立台を置いて三光鋲で留め、黄銅覆輪を廻らす。前立には精緻な木彫鯱を迎え、更に頭部に金工繰半月を挿す。鯱には欠損、修補を認める。𩊱は両面黒漆塗の鉄板札を山道形に刻み付け、紺絲で素懸に威し、饅頭形に開く。耳絲と畦目は啄木、二段菱縫は初段を縹絲、下段を紫絲とする。吹返は二段、菖蒲韋小縁を蛇腹伏した獅子牡丹絵韋を貼って小桜鋲で留め、素文覆輪を廻らせ、金工の「丸に蔦紋」を据え打つ。

面具       鉄錆地目下頬。頬は骨が張出し肉は痩せており、歯を具えず髭を毛植する。鼻孔と汗抜孔を猪目とし、耳金具を設けない。顎先の緒便管は外され(頬に折釘を打つ)、顎付根左右には三星の如くした打出しをみる。顎先には「髙義」の鐫銘をみるが、明珍系図にみる「高義」とは銘振りを異にしており、先学の意見を待つところである。二段垂は菱縫二段を共に紫絲とするほかは𩊱に従い、小桜韋を蛇腹伏した正平韋で蝙蝠付する。

胴           錆地二枚佛胴。裏は一面黒革張。前には打出しと彫金を巧みに使い分け、雲中から龍を顕現させる。三板は絵韋貼で黄銅覆輪を廻らす。胸板からは前立挙を共錆地板札二段として威下げて胸取とし、二段目には裏菊と小刻を重ねた座金の両乳鐶を打ち、素銅地毛彫入八双金物三を奈良菊鋲各二で打留める。背は紫絲で花緘みし、角合当理と枕のみを残し、木瓜形座金に総角付鐶を打つ。襟廻りは家地こそ紺地金襴で三具と異にするが、亀甲金を包む仕立は臑当に通底する。草摺は鉄七間五段威下げで、菱縫を紫絲一段とするほかは通有点に準拠する。威替や漆破損を見受ける。

袖           平坦な黒漆塗素文の鉄板札六段の当世袖。五段目までを裏張する。矢止板は水引を置いて絵韋貼とし、小桜鋲で打留めて黄銅覆輪を廻らす。他は垂の仕立に従う。

三具       香色地錦の家地を共通する。五本篠籠手は手甲に据紋し、上膊は花文切鉄を飾った骨牌金を並べる。佩楯は鉄錆地の骨牌金を花菱的に透かして五列五行を整然と綴付け、踏込式とする。一文字と力韋は絵韋を蛇腹伏する。錆地五本篠臑当は各篠に唐花菱切鉄を飾り、鉸具摺に正平韋を充てる。立挙は亀甲金を濃緑羅紗で包んで紫絲で菱綴し、萌葱糸を這わせて韋覆輪する。佩楯は家地の損傷をみる。

付属       新作の溜塗唐櫃形の具足櫃に具足立を設え、紙采配が添う。

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