唐冠兜付萌葱絲威二枚胴具足

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C-005
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付認定書 具足櫃2

物語

唐冠形の兜を基軸に、萌葱と金、差色の紫が華々しさを今に伝える。

唐冠形兜の魅力は勿論のこと、萌葱絲での威しを基調にしながらも要所に紫絲を配する妙に注目したい。保存状態も非常に良好である。

兜 鉄地黒漆塗唐冠形兜。鉢金は丸く形成し、後頭に鉄板三枚を張懸け(天頂部漆修補)、後正中 に宿した練韋兎耳の立物を冠の巾子に見立てて唐冠を成す。眉庇は共鉄当世形で黒漆塗とし、 前正中にかけて箔押日輪を配し、短めの二本角本を立てて木彫獅噛前立を宿す。吹返は一段、 黒漆塗に箔押で日輪を据える。𩊱は日根野形とし盛上板札を萌葱絲で毛引に威し、奈良菊鋲四 で腰巻板に留める。裾板には啄木耳絲と紫絲菱縫一段を添える。
面具 鉄地黒漆塗烈勢頬。裏朱。垂は四段、𩊱と同工。
胴 𩊱・垂と同工を以て二枚胴を成す。前立挙三段、後四段、長側五段とする。前後最上段の菱縫 と脇側上段に紫絲を用い、萌葱絲との抑揚の妙を見せる。胴裏には黒韋を張る。各板は雁木篠 とし、盛上金覆輪を廻らす。茱萸類には象牙を用いる。小鰭は亀甲金包。草摺は練韋七間五段、 裾板の紫絲菱縫は二段とする。前正中裏に鼻紙袋を具える。
三具 籠手は鉄板札六段の袖を具えた毘沙門籠手。九本篠、袖裾板の菱縫は萌葱絲一段とする。佩楯 は鉄と練韋を綯交ぜにした●●佩楯。臑当は七本篠。
附属 網代地、丸に花角紋を据えた一荷櫃が添う。

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