五月節絵飾 二

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出品オークション
品番
#120
サイズ
丸盆25.5×23.5×5.5ほか
商品カテゴリ
その他
柄鏡 高台付丸盆

物語

♯120 背面兜絵 二

 柄鏡は梅樹と背面から見た兜を鋳出し、漆絵盆は大きく兜の背面を描く。この二つに共通する兜の背面図について、出品者は、尋常ならざる「後ろ向きの兜」が何かを恣意していないかと考えていたら、「延慶寺の兜梅」の故事に出会ったと言う。

「延慶寺の兜梅」とは、「天正年間の天草の合戦に、木村弾正の妻(お京)も出陣し、騎馬で敵陣に突進したが、兜の緒を臥梅の枝に引っかけてしまい、それがもとに討ち取られ、「花は咲けども実は成らせまじ」と恨みを遺した。以来、延慶寺の老梅は実を結ばず、兜梅の故事が残った。

天草の合戦とは、天正17.1589の天草の土豪(天草五人衆)と秀吉旗下の小西行長と加藤清正連合軍の合戦である。「延慶寺の兜梅」は、木村弾正と秀吉軍が激突した「佛木坂の合戦」でおきた悲劇である。

 柄鏡では化粧の度、漆絵盆では、これを手にする度に「恨みは忘れまじ」と教訓するのであろうか。いずれにしても、不可解な図様だが、江戸時代人は、別の何かをこの図柄から学んだのだろうか、聞いてみたい。

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