唐物青貝宝珠香合

出品オークション
品番
P-006
サイズ
6.5×6.5×3
商品カテゴリ
最低入札価格
¥300,000.~
その他
付時代識箱(桐 貼札) 内茶塗 新発田藩溝口家貼札(「秘」「碧雲山房蓄蔵物品」)

物語

【唐物青貝宝珠香合】

小ぶりながら圧倒的な存在感を放つ、**青貝細工(螺鈿)**の宝珠形香合。

螺鈿を幾何学文様に丁寧に配し、玉虫色に輝く光の変化が、動きと気品を与えています。

「唐物(からもの)」と称される異国趣味の中でも、青貝細工はその緻密さと華やかさで特に珍重された工芸技法。

本作は、宝珠(ほうじゅ)型のふくらみに合わせ、放射状に文様を分割配置する意匠構成が見事で、まるで一粒の宝玉を思わせる佇まいです。

光の加減で移ろう輝きと、静謐な赤銅色の地肌とのコントラストは、見る者に静かな感動を与えます。

新発田藩溝口家は信長、秀吉に仕えた溝口秀勝を祖とする。同家は五代藩主以降石州流茶道を嗜んだ家柄でもあり、十一代藩主・直溥(文政二・1819〜明治七・1874)の治世に蔵帳が整理され『新発田御道具帳』などに纏められている。帳には家祖以来収蔵してきた道具類が記録されており、蔵品には掲出のような蔵印が貼られる。なお、印にある碧雲山房とは十一代藩主・直訥(寛政十一・1799〜安政五・1858)の書屋であったとされており、「秘」印は同帳にある「御秘蔵」の分類に該当するものと考えられている。

参考:

  • 宮武慶二『新発田御道具帳にみる溝口家旧蔵の茶道具』(『文化情報学』第九巻第二号)

  • 宮武慶二『溝口家収蔵の茶道具拾遺(二)』(『文化情報学』第十一巻一号)


 
 
 
 
 
 
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