— 書道家・蒐集子が半世紀をかけて集めた「文房至宝」、初の公開へ。
1972年、日中国交が正常化され、文化の扉が再び開かれ始めた時代。
ある書道家は、中国本土を訪れました。
そこはまだ文化大革命の余燼が残る混乱のさなか。伝統文化が「旧思想」とされ、文房四宝と呼ばれる筆・墨・硯・紙をはじめ、書の道具の多くが廃棄される時代でした。
そんな中、蒐集子(しゅうしゅうし)と呼ばれる書道家は、書の命とも言える名品たちを一つ一つ拾い上げ、半世紀もの間、創作の傍らに置き、書と共に歩んできました。
このたび、そのコレクションの一部が、市場に出されます。